コントラバスの弓はフレンチボウとジャーマンボウの2種類があります。
その名の通り、それぞれフランスとドイツが発祥で弓の形も演奏方法も違います。
もともとコントラバスはヴァイオリンからチェロまでのヴァイオリン属とは系統が違い、ガンバ属になるのでジャーマンボウがオリジナルのスタイルとなります。
日本のヨーロッパ音楽の教育は最初ドイツから入ってきたため、日本のコントラバス奏者はほぼジャーマンボウを使っていました。
でも最近はフレンチボウを使う人が増えてきています。
私も始めはジャーマンを使っていましたが、フレンチに持ち替えました。
この記事ではフレンチボウを選ぶメリットと、おすすめのフレンチボウを紹介します。
コントラバスのフレンチボウとジャーマンボウの違い
下からすくい上げるように持つジャーマンボウに対して、上からてのひらでフロッグを覆うように持って演奏するのがフレンチボウです。
フロッグの形もジャーマンボウとは違い、チェロやヴァイオリンの弓のそれと近い形で、弾き方もチェロとほぼ同じです。
コントラバスのフレンチボウはヴァイオンリンやチェロの弓と違って重さがある上に、ヴァイオリンのように弓が楽器に乗るわけではないので弓を支えるのにある程度コツがいります。
フレンチボウは、ジャーマンボウとと比べると細かいコントロールがしやすく、ニュアンスが伝えやすいと言われていますが、実際に両方弾いてみるとどちらも慣れれば一緒という印象です。
表現力は弓の違いというよりは、演奏家の技術によるものでしょう。
一番の大きな違いは弾いている時の見た目じゃないかと思います。
ジャーマンとフレンチの人が並んで弾いているのをみると同じ楽器とは思えないくらい見た目が違います。
ジャーマンボウと、フレンチボウ、どちらを選ぶかは自分が弾いている時のビジュアルを想像し、好きな方を選ぶのが良いと思います。
コントラバスのフレンチボウを使うメリット
先に述べた通り、フレンチボウとジャーマンボウで、表現力や弾きやすさにはさほど違いはありません。
日本ではジャーマンを使う人が圧倒的に多いので、マイノリティなかっこよさを追求するのであればフレンチがおすすめです。
また、ジャーマンボウとフレンチボウは、ジャーマンの方が流通している数も多く、選びやすいメリットがあります。
結論として、フレンチを選ぶことにあまりメリットはないような気がします。
フレンチを使ってみて弾きやすいと思ったり、フレンチでコントラバスを弾いているのがかっこいいと思う方にはフレンチボウがおすすめです。
コントラバスのフレンチボウのおすすめ
最近ではアマゾンなどで安いフレンチボウが多く売られています。
量産品ではない工房製の弓が欲しい場合は、専門店で時間をかけて探す必要があります。
フレンチボウを使ったことがない方は、安いフレンチボウで練習しつつ、ゆっくり時間をかけて本命の弓を探すことをお勧めします。
量産されているもので、おすすめのものはこちらです。
杉藤 バス No. 600 フレンチ
日本の弓メーカー杉藤の入門用フレンチボウです。
素材はフェルナンブーコ、フロッグは黒檀が使われているので十分なスペックだと思います。
杉藤の弓は安定した品質で、バランスもよく弾きやすいのでおすすめです。
同メーカーでいくつか種類があるので、予算に余裕がある人は、上のクラスを検討してみるのも良いと思います。
PETZ viennabow contrabass French
松脂で有名なPETZ製のカーボン弓です。
値段が手頃で、バランスがよく、音の反応が早くて弾きやすい弓です。
とりあえずフレンチを弾いてみたい人や、予備でもう一本欲しい人にもおすすめです。
コントラバスのフレンチボウのおすすめの販売店
日本ではフレンチボウはまだメジャーではありませんが、多く取り扱っているお店もあるので幾つか紹介します。
鶴屋弓弦堂
フレンチボウの専門店です。
おそらく日本では唯一の専門店です。
オーナーの鶴田さん自身もコントラバスを演奏し、海外から定期的に弓を仕入れているので、オールドから新作まで多くの弓を見せてもらうことができます。
価格も他の店舗に比べると比較的リーズナブルな設定なので、本気で弓を探している人はいちど行ってみてください。
不定休なので、行く前に連絡を入れて、予約しておくとスムーズです。
コントラバス本体や、ヴァイオリンなどの弓、ヴィオラダガンバなども扱っています。
クロサワ楽器日本総本店
日本の大手楽器店で、コントラバス専門店が新大久保にあります。
楽器本体の他に弓も多く取り扱っていて、大手楽器店の中では一番品揃えが多い店だと思います。
上で紹介した杉藤や、コーダボウなどの弓も扱っているので、興味がある方は一度行ってみることをおすすめします。
まとめ
今回はコントラバスのフレンチボウについて紹介しました。
フレンチボウは弾き方を覚えるまではちょっと大変ですが、慣れてしまえば楽に弾ける奏法です。
フレンチボウを始めたいと思っている方は、ぜひ試してみてください。
今回の記事参考にしてもらえればうれしいです。
それではまた。
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